「インドネシア人材を採用したい」と考える日本企業が急増しています。少子高齢化による深刻な人手不足、特定技能制度の拡充、そしてインドネシアの若い労働力への注目が重なり、インドネシアは今や日本にとって最も重要な人材供給国のひとつとなっています。
しかし、いざ採用を検討しようとすると「何から始めればいいかわからない」「特定技能と高度人材の違いがわからない」「費用や手続きが複雑で不安」という声を多く聞きます。
本記事では、インドネシア人材採用に関するすべての疑問に答える「完全ガイド」として、在留資格の種類・採用の流れ・費用・注意点・成功のポイントまで徹底的に解説します。
株式会社ANCジャパンはインドネシアに現地法人PT. KEBUN TEKNOLOGI INDONESIAを構え、ガジャマダ大学・インドネシア大学・ボゴール農科大学とMOU協定を締結。これまでに累計800名以上のインドネシア人材を日本企業に紹介してきた実績をもとに、現場目線でお伝えします。
この記事の目次
- なぜ今、インドネシア人材なのか
- インドネシア人材の特徴・強み
- 在留資格の種類と選び方
- 高度人材(技術・人文知識・国際業務)とは
- 特定技能とは?対象19職種を解説
- 採用の流れ・ステップ
- 採用にかかる費用・コスト
- 受け入れ企業が準備すること
- インドネシア人材採用でよくある失敗と対策
- ANCジャパンの採用支援サービス
- よくある質問(FAQ)
- まとめ

1. なぜ今、インドネシア人材なのか
日本の労働市場は深刻な人手不足に直面しています。2030年には約644万人の労働力が不足すると試算されており(経済産業省)、特に介護・製造・建設・飲食分野での不足が顕著です。こうした状況の中、外国人材の活用は多くの企業にとって避けられない選択肢となっています。
その中でインドネシアが注目される理由は明確です。
①圧倒的な人口規模と若い労働力
インドネシアの人口は約2億8,000万人(世界第4位)。平均年齢は約30歳と非常に若く、毎年約300万人が新たに労働市場に参入しています。日本の平均年齢49歳と比べると、その若さは際立っています。今後数十年にわたって安定した人材供給が見込める国です。
②親日感情の強さ
インドネシアは、日本のアニメ・文化・ものづくりへの親しみが強く、「日本で働きたい」という若者が非常に多い国です。日本語学習者数は東南アジア最多水準であり、JLPT受験者も年々増加しています。
③日本語学習への高い熱意
インドネシアには多くの大学・専門学校に日本語学科が設置されており、日常的に日本語を学ぶ環境が整っています。来日後も日本語習得への意欲が高く、短期間でN2・N1レベルに到達する人材も少なくありません。
④特定技能・高度人材の両方に対応
ITエンジニア・建設技術者などの高度人材から、現場を支える特定技能人材まで、幅広い職種・在留資格に対応できる人材層が揃っています。
⑤安定した送り出し実績
インドネシアは日本政府との間で特定技能に関する二国間協定を締結しており、制度的に安定した送り出し体制が整っています。ベトナム・フィリピンと並んで、日本への主要な人材供給国として確立されています。
2. インドネシア人材の特徴・強み
インドネシア人材を実際に受け入れた日本企業からよく聞かれる特徴を整理します。

良い評価が多い点
真面目・勤勉・粘り強い
仕事に対する真剣さと粘り強さは、多くの受け入れ企業から高く評価されています。特に製造・介護・農業などの現場職では、体力と忍耐力を要する作業にも前向きに取り組む姿勢が評価されています。
チームワークを大切にする
インドネシアには「ゴトン・ロヨン(助け合い)」の文化があり、チームで協力して仕事を進めることを大切にします。日本の職場文化との親和性が高いと感じる企業が多いです。
日本の職場ルールへの適応が早い
時間厳守・丁寧な仕事・品質へのこだわりといった日本的な職場文化への適応が比較的早いとされています。
笑顔が多く、職場の雰囲気が明るくなる
インドネシア人の明るく温かい国民性は、職場の雰囲気をポジティブに変えるという声も多く聞かれます。
注意が必要な点
宗教的配慮が必要
約87%がイスラム教徒のため、ハラール対応・礼拝時間・ラマダンへの配慮が必要です。ただし、一度仕組みを作れば継続的な負担にはなりません。
日本語レベルに個人差がある
N3以上の人材でも、専門用語や方言への対応には時間がかかります。採用時の日本語テストと丁寧なフォローアップが重要です。
転職リスクへの備えが必要
特定技能では同業種内での転職が可能なため、待遇・職場環境の整備が定着率向上のカギになります。
3. 在留資格の種類と選び方
インドネシア人材を採用する際に関係する主な在留資格は以下の通りです。
| 在留資格 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 大卒の高度人材 | IT・通訳・経営など・家族帯同可・転職可 |
| 高度専門職 | ポイント制で認定された高度人材 | 優遇措置あり・永住申請が早期に可能 |
| 特定技能1号 | 現場系・実務系人材 | 最長5年・家族帯同不可・同業種転職可 |
| 特定技能2号 | 熟練した現場系人材 | 在留期限なし・家族帯同可・建設・造船など |
| 技能実習(廃止予定) | 技能移転を目的とした実習生 | 2024年より「育成就労」制度へ移行予定 |
| 育成就労 新制度 | 技能実習に代わる新たな在留資格 | 2027年施行予定・最長3年・特定技能1号への移行を前提・同一企業内転籍が一定条件で可能 |
大学卒業の専門職・ITエンジニア・通訳には「技術・人文知識・国際業務」、現場の実務を担う人材には「特定技能」が一般的な選択肢です。どちらが適しているかは業種・職種・求めるスキルによって異なります。
4. 高度人材(技術・人文知識・国際業務)とは
大学卒業以上の学歴を持つ専門職人材は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用できます。特定技能とは異なり、家族の帯同が可能で、在留期限の更新も比較的柔軟です。
主な対象職種
- ITエンジニア・システム開発:ソフトウェア開発・アプリ開発・インフラ構築など
- 通訳・翻訳:インドネシア語通訳、日本語教育など
- 経営・コンサルティング:インドネシアビジネスに関わる業務全般
- 建設・土木系技術者:設計・施工管理・品質管理など
- 営業・マーケティング:インドネシア向け事業展開サポートなど
ANCジャパンの高度人材採用実績
ANCジャパンのこれまでの高度人材採用実績の内訳の比率は以下の通りです。
- ITエンジニア:約77%
- 通訳・国際業務:約14%
- 研修・インターン:約9%
特にガジャマダ大学・インドネシア大学との連携により、大学教育を受けた優秀なITエンジニアの採用に強みを持っています。
5. 特定技能とは?対象19職種を解説
特定技能は2019年に創設された在留資格で、深刻な人手不足が生じている特定の産業分野での就労を認めるものです。2024年の制度改正で対象分野が拡大され、現在は以下の19職種が対象となっています。

- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 林業
- 木材産業
- 鉄道
- 自動車運送業
- 港湾運送業
- 印刷業
- 繊維・衣服
特定技能の要件
特定技能で採用するためには、候補者が以下の要件を満たす必要があります。
- 技能試験の合格:各分野の技能測定試験に合格していること(技能実習2号修了者は免除)
- 日本語試験の合格:日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストに合格していること(介護はN4以上)
- 年齢:18歳以上
受け入れ企業の義務
特定技能外国人を受け入れる企業には、以下の支援義務があります。
- 相談・苦情対応
- 入国前・入国後の生活オリエンテーション実施
- 住居の確保支援
- 定期的な面談の実施(3ヶ月に1回以上)
- 各種行政手続きへの支援
これらの支援業務は、登録支援機関に委託することができます。ANCジャパンは登録支援機関として、これらすべての支援業務に対応しています。
ANCジャパンの特定技能採用実績
ANCジャパンのこれまでの特定技能採用実績の内訳は以下の通りです。
| 分野 | 比率 |
|---|---|
| 介護 | 約55% |
| 飲食料品製造 | 約17% |
| ビルクリーニング | 約15% |
| 外食業 | 約11% |
| 農業(耕種・畜産) | 約2% |
| 製造業・造船 | 約1% |
配属エリアは愛知県(約23%)・岐阜県(約19%)・北海道(約11%)・静岡県(約10%)・福岡県(約7%)など全国各地に広がっています。
6. 採用の流れ・ステップ
インドネシア人材採用の一般的な流れは以下の通りです。特定技能・高度人材で若干異なりますが、大きな流れは共通しています。
- 採用計画の策定
採用したい職種・人数・時期・予算を明確にします。在留資格の選択(特定技能か高度人材か)もこの段階で決定します。 - 人材紹介会社・支援機関の選定
インドネシア人材に精通した人材紹介会社・登録支援機関を選びます。現地ネットワーク・実績・対応力を確認することが重要です。 - 求人票・条件の整備
給与・勤務地・勤務時間・住居支援など、候補者に提示する条件を整備します。 - 候補者のスクリーニング・書類選考
現地パートナーが候補者を集め、日本語テスト・書類選考・事前面談でスクリーニングします。 - 企業との面接(現地またはオンライン)
現地JOBFAIR・オンライン面接・来日面接など、状況に合わせた方法で面接を実施します。 - 内定・雇用契約の締結
内定後、雇用条件通知書・雇用契約書を締結します。インドネシア語・日本語の両言語での作成が推奨されます。 - 在留資格申請(入国管理局)
特定技能の場合は在留資格認定証明書の申請、高度人材の場合は査証申請を行います。審査期間は通常1〜3ヶ月です。 - 事前研修・来日準備
来日前に日本語・ビジネスマナー・職種別スキルの研修を実施します。ANCジャパンは現地での研修にも対応しています。 - 来日・入社
空港送迎・住居手配・銀行口座開設・各種行政手続きなど、来日直後のサポートを行います。 - 入社後のフォローアップ
定期面談・生活相談・日本語学習支援など、定着に向けた継続的なサポートを行います。
採用計画から来日まで、一般的に3〜6ヶ月かかります。余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。
7. 採用にかかる費用・コスト
インドネシア人材採用にかかる費用は、在留資格・採用方法・支援内容によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
初期費用(採用時)
| 費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 人材紹介手数料 | 理論年収の35%(高度人材)/1名あたり40万円(特定技能) |
| 在留資格申請費用 | 5〜15万円程度(行政書士委託の場合) |
| 渡航費用 | 10〜20万円程度(航空券・初期生活費等) |
| 住居手配費用 | 敷金・礼金・家具等(社宅提供の場合) |
| 研修費用 | 5〜20万円程度(現地研修・来日前研修) |
月次費用(採用後)
- 登録支援機関への委託費用:1名あたり月額3万円程度
- 給与:日本人と同等以上(同一賃金・同一労働が原則)
- 社会保険:日本人と同様に加入義務あり
総コストは採用方法や支援内容によって大きく変わります。「安く採用できる」という情報には注意が必要で、質の高い人材を安定して確保するためには適切な投資が必要です。
8. 受け入れ企業が準備すること
インドネシア人材を受け入れる前に、以下の準備を整えておくことが重要です。
ハード面の準備
- 住居の確保:社宅・寮の手配、または住居費補助の仕組みの整備
- 礼拝スペースの確保:小さなスペースで可。会議室で問題なし。
- 多言語対応の標識・マニュアル:安全に関わる表示・作業手順書のインドネシア語化
ソフト面の準備
- 日本語でのコミュニケーション体制:やさしい日本語を使う、通訳ツールの活用
- メンター・相談窓口の設置:困ったことを気軽に相談できる社内の仕組みづくり
- 既存スタッフへの周知:外国人材受け入れに関する社内研修・理解促進
- キャリアパスの提示:「この会社でどう成長できるか」を明示することが定着率向上につながる
9. インドネシア人材採用でよくある失敗と対策
失敗①:日本語レベルの見極めが甘く、現場で意思疎通できない
対策:採用時に実際の会話テストを実施し、業務内容に必要な日本語レベルを明確にした上でマッチングする。
失敗②:採用後のフォローアップが不十分で孤立する
対策:定期的な面談・生活相談窓口の設置、同国籍の先輩社員との交流機会を作る。
失敗③:待遇が低く、転職されてしまう
対策:日本人と同等以上の待遇を確保し、昇給・昇格の基準を明確にする。住居補助・日本語学習支援なども定着率向上に効果的。
失敗④:手続きのミスで在留資格が取れず来日が遅れる
対策:在留資格申請の実績が豊富な行政書士・支援機関と連携し、書類準備を早めに始める。
10. ANCジャパンの採用支援サービス
株式会社ANCジャパンは、インドネシア人材採用に関するすべてのプロセスをワンストップでサポートします。
人材紹介サービス
高度人材(技術・人文知識・国際業務)特定技能の両方に対応。ガジャマダ大学・インドネシア大学・ボゴール農科大学との連携により、大学推薦の優秀な人材へのアクセスが可能です。これまでに累計800名以上の紹介実績があります。
JOBFAIR・合同面接会の開催
インドネシア現地での大規模JOBFAIR・合同面接会を企画・運営します。厚生労働省・国土交通省・三重県などの行政機関、PERSOL・PwCなどの大手企業との共同開催実績があります。来場者数は1回で200名以上の実績も。
登録支援機関サービス
特定技能外国人の受け入れに必要な支援業務(生活オリエンテーション・定期面談・相談対応・各種行政手続き支援)を代行します。
現地研修サービス
来日前の候補者に対して、インドネシア現地で日本語・ビジネスマナー・職種別スキルの研修を実施します。教育済み人材の提供により、来日後のミスマッチを大幅に軽減します。
対応エリア
日本全国対応。現在の配属実績は愛知県・岐阜県・北海道・静岡県・福岡県・千葉県・東京都・大阪府・三重県・鹿児島県・秋田県・石川県・岡山県・広島県・高知県・愛媛県など全国各地に及びます。
11. よくある質問(FAQ)
- Q. インドネシア人材と他国(ベトナム・フィリピン等)の人材の違いは?
-
A. ベトナム人材は送り出し数が多く、日本語学習者も豊富ですが、近年は本国の経済成長に伴い日本への来日意欲が低下する傾向があります。フィリピン人材は英語力が高く看護・介護分野に実績がありますが、日本語学習への取り組みにやや差があります。インドネシア人材は親日感情・日本語学習意欲・人口規模の3点で際立っており、長期的な人材供給の安定性が期待できます。
- Q. 特定技能人材の最低賃金は?
-
A. 特定技能では、日本人と同等以上の賃金が必要です。地域の最低賃金以上であることに加え、同じ業務を行う日本人社員と同等以上の給与を設定する必要があります。
- Q. 採用から来日まで何ヶ月かかりますか?
-
A. 一般的に3〜6ヶ月程度です。在留資格の審査期間(1〜3ヶ月)を考慮した上で、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。
- Q. 特定技能の「登録支援機関」は必ず必要ですか?
-
A. 必須ではありませんが、支援業務を自社で行う場合は相当の体制整備が必要です。多くの企業が登録支援機関に委託しています。ANCジャパンは登録支援機関として全支援業務に対応しています。
- Q. インドネシア人材は介護の仕事に向いていますか?
-
A. 非常に向いています。思いやりの国民性・チームワークを大切にする文化・利用者への丁寧な対応が評価されており、ANCジャパンの介護分野での配属実績は312名(全体の約50%)に上ります。
- Q. 採用したい人材が見つからない場合はどうすればいいですか?
-
A. ANCジャパンでは、大学との連携・現地研修機関とのネットワーク・インドネシア7拠点の現地スタッフを通じて、幅広い人材へのアクセスが可能です。まずはご要望をお聞かせください。
まとめ
インドネシア人材採用について、在留資格・採用の流れ・費用・注意点まで網羅的に解説しました。重要なポイントを改めて整理します。
- インドネシアは人口・若さ・親日感情・日本語学習意欲の4点で他国を凌駕する人材供給国
- 在留資格は「特定技能(現場系)」と「技術・人文知識・国際業務(高度人材)」が主な選択肢
- 特定技能は19職種が対象。技能試験・日本語試験の合格が必要
- 採用から来日まで3〜6ヶ月。余裕を持ったスケジュールで進めることが重要
- 登録支援機関・人材紹介会社との連携で手続き・定着支援を効率化できる
インドネシア人材採用は、適切なパートナーと連携すれば、中小企業でも十分に実現できます。「何から始めればいいかわからない」という段階からでも、ANCジャパンがしっかりサポートします。
インドネシア人材採用についてのご相談は、ぜひお気軽にANCジャパンまでお問い合わせください。