「外国人材を採用したいが、インドネシア人はどうだろう?」——そんな疑問を持つ経営者・人事担当者の方が増えています。少子高齢化による深刻な人手不足が続く日本では、インドネシアをはじめとする東南アジア人材への関心が年々高まっています。
しかし、インドネシア人材の採用を検討する際に「実際のところどうなのか」という生の情報はなかなか手に入りません。インターネット上の情報は楽観的すぎるものも多く、現場の実態が見えにくいのが現状です。
株式会社ANCジャパンは、インドネシアに現地法人PT. KEBUN TEKNOLOGI INDONESIAを構え、ガジャマダ大学・インドネシア大学・ボゴール農科大学とMOU協定を締結した、インドネシア人材専門の会社です。これまでの支援実績から見えてきた「インドネシア人材採用のメリットとデメリット」を、現場目線で正直にお伝えします。
この記事の目次
- インドネシア人材の基本プロフィール
- インドネシア人材を採用する5つのメリット
- インドネシア人材採用の4つのデメリット・注意点
- 特定技能と高度人材、どちらで採用すべきか
- 採用に向いている業種・職種
- 採用を成功させるための3つのポイントまとめ

1. インドネシア人材の基本プロフィール
まず、インドネシアという国と人材の基本的な特徴を押さえておきましょう。
インドネシアは人口約2億8,000万人を擁する世界第4位の人口大国です。その人口構成は非常に若く、平均年齢は約30歳。日本の平均年齢が約49歳であることを考えると、その若さは際立っています。毎年約300万人が労働市場に新たに参入しており、若い労働力が豊富に供給され続けています。
日本との関係においては、インドネシアは歴史的に強い親日感情を持つ国として知られています。日系企業がインドネシアに多く進出していることもあり、「日本で働きたい」「日本語を学びたい」という若者が非常に多く、日本語学習者数は東南アジアで最多水準です。
宗教はイスラム教徒が約87%を占めますが、インドネシアのイスラム教は比較的穏健で寛容な傾向があり、職場でも柔軟に対応できる方が多いです。
2. インドネシア人材を採用する5つのメリット
① 若くて意欲が高い
インドネシアから日本に来る人材の多くは20代前半〜30代前半です。「日本で技術を身につけたい」「キャリアアップしたい」という強い動機を持っており、仕事への意欲が高いのが特徴です。日本の若者と比べても、仕事に対する真面目さ・勤勉さには定評があります。
特に製造業・介護・建設・農業などの現場職種では、体力があり粘り強く働く姿勢が日本の事業者から高く評価されています。
② 日本語学習への熱意が高い
インドネシアでは日本語教育が盛んで、高校・大学での日本語学習者数が多く、日本語能力試験(JLPT)の受験者数も東南アジア有数です。日本語N3〜N4レベルの人材が比較的多く、コミュニケーションに大きな問題が生じにくいのが強みです。
また、来日後も日本語習得への意欲が高く、短期間でN2・N1レベルに到達するケースも珍しくありません。
③ 親日感情が強く、日本の文化・職場環境に馴染みやすい
インドネシアでは日本のアニメ・音楽・ものづくり文化への親しみが強く、「日本で働くこと」に対して非常にポジティブなイメージを持っている方が多いです。日本の「丁寧さ」「品質へのこだわり」「チームワーク重視」の文化にも比較的スムーズに適応してくれます。
他の国籍の外国人材と比較した際に、日本の職場文化との親和性が高いという声は多くの採用企業から聞かれます。
④ 人材の供給が安定している
ベトナムやフィリピンと並んで、インドネシアは日本向け人材の主要な送り出し国のひとつです。毎年安定した数の人材が日本を目指しており、採用の継続性という観点から安心感があります。
また、ANCジャパンのようにインドネシアの主要大学とMOU協定を締結している会社と連携することで、大学新卒の優秀な人材を安定的に確保するルートも整備されています。
⑤ 特定技能・高度人材の両方に対応できる
インドネシア人材は、現場の実務を担う「特定技能」の在留資格から、ITエンジニア・経営管理などの「高度人材」まで、幅広い職種・在留資格に対応できます。企業の採用ニーズに合わせた人材選択の幅が広いのも、インドネシア人材の強みです。
3. インドネシア人材採用の4つのデメリット・注意点
① 宗教的配慮が必要
イスラム教徒が多いため、食事・礼拝・断食(ラマダン)への配慮が必要です。具体的には以下のような対応が求められます。
- 食堂・弁当のハラール対応(豚肉・アルコール不使用)
- 礼拝のための時間・場所の確保(1日5回、各数分程度)
- ラマダン期間中の体調変化への配慮
ただし、これらは一度仕組みを作れば継続的な負担にはなりません。すでに対応している企業からは「思ったより大変ではなかった」という声が多いです。初めての対応に不安がある場合は、経験豊富な支援機関に相談しながら進めることをおすすめします。
② 採用・受け入れに一定のコストと手続きが必要
外国人材の採用は、日本人の採用と比べて手続きが複雑で、在留資格の取得・更新、各種届出、登録支援機関との連携など、やるべきことが多くあります。
特定技能の場合、支援計画の策定や定期面談・生活支援など、受け入れ企業に課せられる義務も多いため、登録支援機関への委託が現実的な選択肢になります。初期費用・月次費用を含めた総コストを事前に把握しておくことが重要です。
③ 日本語レベルに個人差がある
「インドネシア人は日本語が上手」というイメージがある一方で、実際には個人差が大きいのが現実です。日本語N3以上の人材でも、専門用語や方言・社内独自の言い回しに慣れるまでには時間がかかります。
特に安全管理が重要な製造業・建設業では、日本語レベルと業務内容のマッチングを慎重に行う必要があります。採用時にしっかりとした日本語テストと面接を実施することが重要です。
④ 帰国・転職リスクがある
外国人材全般に言えることですが、家族の事情や母国の状況変化によって帰国するケースがあります。また、待遇が良い企業への転職(特定技能では転職が可能)リスクも考慮が必要です。
長く働いてもらうためには、給与・住環境・職場の人間関係など、総合的な定着支援が重要です。「採用して終わり」ではなく、入社後のフォローアップに継続的に取り組む姿勢が求められます。
4. 特定技能と高度人材、どちらで採用すべきか
インドネシア人材を採用する際の在留資格として、主に「特定技能」と「高度人材(技術・人文知識・国際業務など)」の2つが選択肢になります。
| 項目 | 特定技能 | 高度人材 |
|---|---|---|
| 対象職種 | 製造・介護・建設・農業など19職種 | IT・経営・研究・通訳など |
| 学歴要件 | 不要(技能試験で代替可) | 大卒以上が基本 |
| 家族帯同 | 特定技能1号は不可 | 可能 |
| 転職 | 同業種内で可能 | 可能 |
| 向いている企業 | 製造業・農業・介護・飲食など | IT企業・商社・コンサル・登録支援機関など |
どちらが適しているかは、採用したい職種と企業の業態によって異なります。ANCジャパンでは特定技能・高度人材の両方に対応しており、企業の状況に合わせた最適な採用スキームをご提案しています。
5. 採用に向いている業種・職種
インドネシア人材が特に活躍しやすい業種・職種として、以下が挙げられます。
- 製造業(機械・電子・食品):真面目で手先が器用な人材が多く、品質管理への意識も高い
- 介護・福祉:思いやりのある国民性から、利用者との関係構築が得意
- 建設・土木:体力があり、チームワークを重視する文化と相性が良い
- IT・エンジニア:大学でIT・工学を学んだ高度人材が豊富。英語力も高い
- インドネシア関連ビジネス:語学力・文化理解を活かした橋渡し役として活躍
6. 採用を成功させるための3つのポイント
① 採用前に「受け入れ環境」を整える
採用してから環境を整えようとすると、入社後に問題が起きやすいです。住居の確保、ハラール対応、礼拝スペースの設置など、受け入れ環境を先に整えることが定着率向上の鍵です。
② 専門の支援機関と連携する
在留資格の手続き、支援計画の策定、入社後の生活サポートまで、外国人材採用には専門知識が必要な場面が多くあります。経験豊富な登録支援機関・人材紹介会社と連携することで、手続きミスや定着失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
③ 長期的な視点でキャリアパスを示す
インドネシア人材は成長意欲が高いため、「この会社でどう成長できるか」を明示することが重要です。技能習得のロードマップ、日本語支援、昇給・昇格の基準を明確にすることで、長期定着につながります。
まとめ
インドネシア人材採用のメリット・デメリットを整理すると、以下のようになります。
✅ メリット
- 若くて意欲が高い
- 日本語学習への熱意が強い
- 親日感情があり職場に馴染みやすい
- 人材供給が安定している
- 特定技能・高度人材の両方に対応可能
⚠️ デメリット・注意点
- 宗教的配慮(ハラール・礼拝)が必要
- 採用・手続きにコストと時間がかかる
- 日本語レベルに個人差がある
- 帰国・転職リスクへの備えが必要
デメリットのほとんどは、事前の準備と適切な支援機関との連携で対処できます。インドネシア人材は、正しく採用・受け入れすれば、日本の中小企業にとって非常に心強いパートナーになります。
株式会社ANCジャパンは、インドネシアに特化した人材紹介・支援のプロフェッショナルです。特定技能・高度人材のどちらにも対応し、採用前の相談から入社後の定着支援まで一貫してサポートします。インドネシア人材の採用を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。